子どもは、突然体調を崩して発熱(感染症など)やアレルギーなどが原因で、皮膚に湿疹や発疹(ブツブツ、赤くなる)が出てきて心配なときがあります。
そんな時の対処方法について説明しましょう。
《すみやかに受診したほうがよいとき》
* 子どもの状態がいつもと違う。子どもの「機嫌が悪い」
* ぐったりして元気がない。水分が取れずに脱水症状を
起こしそうである
* 顔色も悪く、息が苦しそう
* 強い腹痛がある、嘔吐を繰り返す
* 下痢を繰り返す。血便がある。鼻血が止まらない
* 足のひざから下の紫色の小さな点々が出ている
* かゆみが強い
* 関節部分が腫れて痛みがある
《受診前のチエックポイント》
外来を受診する時は、あらかじめ下記のようなことをメモしておきましょう。
* 湿疹やブツブツは「いつ現れたか」、その時に子どもは何をしていたか。
虫さされ・食べたものの関係など湿疹の原因があればメモをしておく。
* 発熱はないか、体温を測定しておく。
* 食べた量と水分の飲んだ量・や体から出たもの(尿・便・吐いた回数と量)と其の時間を記録しておく。
* 下痢の時は、便の固さや色、血便は混じってなかったか観察をしておく。
(心配な時は、便をした紙おしめのまま、ナイロン袋に入れて受診時に医師に見せると診断しやすくなる)
《子どもに多い湿疹やブツブツの種類》
* 発熱を伴わないもの
じんましん・あせも・おむつかぶれ・水いぼ・とびひ・アトピー性皮膚炎など
* 発熱を伴うもの
はしか(麻疹)・水ぼうそう・風疹・りんご病・手足口病・突発性発疹・溶連菌感染症などがあり、
医師の指示に従って治療を受けるとともに、登園・登校を取りやめるなど、適切な対処をしていきましょう。
《湿疹やブツブツがある時の対処方法》
* 受診したと場合は、医師の指示に従って薬を飲んだり、塗り薬を塗りましょう。
* 子どもが患部を触ったり、かきむしったりしないように患部を布で覆ったり、
子どもに手袋をはかせたり、爪を短く切っておきましょう。
* 入浴することで、肌を清潔に保つことが大切ですが、タオルで強くこすったりしないようにしましょう。
* せっけんは、添加物の少ない石けん(無香料・無香料)を使用して、
石けんをよく泡立てて、優しく撫でるように洗い、しっかりすすぎましょう。
* 風呂上がりでバスタオル(ガーゼタオル)などで、こすらずに軽く・優しく押さえるように水分を拭き取りましょう。
《乳幼児に起こしやすい「乳児湿疹とアトピー性皮膚炎のちがい」》
* 乳児湿疹とは
乳児湿疹とは、生後2週〜2ヶ月頃に多く見られる湿疹のことで、
湿疹は、赤いブツブツしたもの、黄色いかさぶたやフケのようなもので覆われいるもの、
膿(うみ)が出てきているものなど色々な形状で現れます。
乳児湿疹の原因は色々ありますが、胎盤を通して赤ちゃんに渡されたママの
女性ホルモンが皮脂を出すためと考えられています。
また、赤ちゃんは毛穴が小さいため皮脂が詰まって炎症を起こしやすく、湿疹が悪化しやすいのも特徴です。
*乳児湿疹の治療
乳児湿疹は生後2ヶ月を過ぎてママから受け継いだホルモンの働きが弱くなると、自然に軽くなっていくのがほとんどです。
しかし、長引く時やひどい時は受診をしましょう。
* 乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違いは?
アトピー性皮膚炎は、皮膚に慢性的な炎症を生じ、皮膚にかゆみを伴う湿疹を引き起こす病気です。
しかし、かゆみはアトピー性皮膚炎の方が強く生後2〜3ヶ月頃から、
頭・顔・肘の内側・足の付け根・膝の裏など全身に発症するのが特徴です。
* アトピー性皮膚炎の治療
スキンケアを行い、症状の度合いによっては外用薬(ステロイド剤)・保湿剤が使われます。
* アトピー性皮膚炎は気管支喘息などアレルギーによって引き起こされる病気を
合併することがあるため慎重に経過をみていく必要があります。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の原因
* アレルゲン(原因物質)を知る
アレルゲンには、ダニ・ハウスダスト・ペット食べ物(卵、牛乳、大豆。小麦、そば、植物の花粉などがあります)
それを調べるには、「血液検査」がありますが「食事内容を記録する」ことでも分かることがあります。
食べた料理名と素材名を朝・昼・夕食と記録をして、
人型の絵に湿疹が出た時に「赤ペン」で湿疹の場所を記入し、
2、3時 間前に食べた物と照らし合わせることで原因物質が分かることがあります。
例えば、「卵か卵が混じったお菓子など」を食べた、
数時間後に顔や耳の所に発疹・発赤・かゆみが現れると
卵が原因物質と考えられますので、
ある期間は「卵の入った食べ物」は、避けたり減らすことで、
アトピー性皮膚炎を防いだり、軽減することができます。
長期に「除去食」を行う時は、医師の指示に従うほうが安全です。
また、血液検査で「ダニやハウスダスト」が原因である場合が多いので、
部屋の掃除や換気や布団の手入れも充分にすることも大切です。
受診する時の病院の選び方は、
看板にアレルギーと書かれている所だけでなく、
「小児アレルギー学会員」であるか検索をして受診すると良いです。
それは、血液検査をするにしても
小児用の採決方法・用具・看護が揃っており、
また、小児と大人の診断や治療法が異なる場合がりますので、
「小児アレルギー専門医」をおすすめします。
* 汗・よだれ
汗で悪化する子どもも多くみられます。
また、赤ちゃんであればよだれや食べこぼしなども
刺激のもとになり悪化の原因となりますので、
汁などが口の回りに着いた時は水で湿した布などで優しく拭いてあげましょう。
また、子どもの下着や服は、
汗などの吸湿性がよい「棉100%」素材の物をおすすめします。
* その他
空気の乾燥や、髪の毛や毛糸のセーターなどの皮膚に触れると刺激になる物は悪化させる原因となりますので避けるといいです。
《わが子のアトピー性皮膚炎の治療経験から》
私自身の子どもは生後1ヶ月から、「全身複合性(卵・牛乳・大豆など)アトピー性皮膚炎」になり、主に「除去食・鍼灸など」によりほぼ治っており、気管支喘息も合併せずに過ごしています。
当時、母乳を出しながらの3大アレルゲン(卵・牛乳・大豆など)生後1年半まで実行することは大変で、私の体重は11kg減りましたので、極度の「除去食」はおすすめしないのが本音です。
それでも、わが子のアトピー性皮膚炎改善の経験から学んだことは、「自然に帰る」ことでした。
衣食住を出来るだけ、自然の素材を選ぶ習慣は今も続いており、
お蔭さまで家族全員、大きな病気をすることなく元気に過ごしています。